思い込みを手放す力を身に着け、本能に気づくことが大事。
「ふぁくとふるねす・・・?」
翻訳すると「事実に基づく」というような意味。表紙もシンプルで好みのデザインということもあり読んでみました。
Amazonの書籍の説明ページでは「賢い人ほど、世界についてとんでもない勘違いをしている」との記載もあり、強いメッセージを感じました。世界で300万部の大ベストセラー、私が推している方々でも紹介している方が多いので読んでみました。
ニュースを見れば不安になり、ネットで数字を見れば社会の格差に落ち込む。私たちは「分断」「恐怖」「急ぎ」など、無意識の本能にとらわれて世界を悲観的に見がちです。
そんな「思い込みの罠」に気づかせてくれるのが『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』です。著者のハンス・ロスリング氏は、医師であり統計学者。データと経験に基づいて、「本当の世界の姿」を読み解く視点を教えてくれます。
情報があふれる今の時代、「何を信じたらいいかわからない」と感じている人、あるいはSNSやニュースに振り回されがちな人にとって、自分の考え方を見直すきっかけにもなる本です。
また、先入観にとらわれがちな人や、つい感情で判断してしまうことが多い人にも、新しい視点をくれる一冊です。読んだ後は、世界の見え方が少し前向きになるかもしれません。
この記事では、私自身が本書を読んで心に残ったポイントを整理し、10の「思い込み本能」をもとにわかりやすくまとめました。本をあまり読まない方でも理解しやすいように工夫しています。読後には、きっと世界を見る目が少しやさしくなります。
読書が苦手な学生さんや社会人の方、経営に関わる方にも、読みやすくコンパクトに要約しています。ビジネス書や自己啓発の本、まずは要点だけでも読んでみませんか。
『FACTFULNESS』
10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
著者 : ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド
翻訳 : 上杉 周作、関 美和
発売日: 2019年1月
出版社: 日経BP
ページ: 400ページ
【こんな人におすすめ】思い込みに振り回されていませんか?

世界のニュースを見ると気分が落ち込む人
毎日のように飛び込んでくる「悪いニュース」に疲れていませんか?ファクトフルネスは、「悪い」と「良くなっている」が同時に存在することを教えてくれます。ネガティブな情報ばかりに偏らない視点が身につきます。
SNSで見かける「格差」や「分断」に心を痛める人
「平均」や「対立」に惑わされがちな私たち。でも本書は、「中間層が大半」という事実や、表面的な違いよりも重なる部分の大きさを教えてくれます。分断の幻想から自由になりましょう。
数字を見ると不安になるけど、根拠を見極めたい人
「80万人が…」「前年比●%増…」など、一見インパクトのある数字も、比較や割合を使えばまったく違う意味に変わります。数字を“怖がる”のではなく、正しく読む力が身につきます。
今すぐ行動を起こさなければ!と焦ってしまう人
「今決めないと損する」「あと1日で終了」などの言葉に振り回されがち。でも、焦って判断すると誤ることも。ファクトフルネスは「待つ力」も教えてくれます。
物事をすぐに“単純化”してしまう傾向がある人
「悪いのはこの人」「この国はずっとこう」など、単純な見方にとらわれると、本質を見誤ることも。本書は、複雑な現実を冷静に捉えるヒントを与えてくれます。
【10の学び】10の本能から学ぶFACTFULNESSの核心

分断本能|中間層の存在を見落とすな
つい「富裕層 vs 貧困層」のように二極化して考えがち。でも、現実は多くの人がその中間にいます。平均や極端な比較に惑わされず、グラデーションを見抜くことが重要です。
ネガティブ本能|悪いニュースばかりに引っ張られる
悪い出来事は目立つけれど、良い出来事は報道されにくいという現実があります。「悪化」と「改善」は両立するという視点が大切です。
直線本能|変化は直線的じゃない
「このまま行けばヤバい」系の話に引き込まれがち。でも多くの変化はS字カーブや山なり、急激な増減を伴います。直線は例外と考えるべきです。
恐怖本能|怖さとリスクは別もの
「毒・拘束・ケガ」は本能的に怖く感じるもの。しかし、それと実際のリスクは別。頻度×危険度でリスクを考える冷静さを持ちましょう。
過大視本能|ひとつの数字に振り回されるな
大きな数字ほどインパクトが強く、つい反応してしまいがち。でも比較・割合・分母の違いを意識すると、見え方はガラリと変わります。
パターン化本能|思い込みの型にはまらない
「この国の人はこう」「この職業はこう」など、私たちは無意識にパターン化しがち。個人差や例外を探し、小さな違いにも目を向けることが大切です。
宿命本能|変わらないように見える“変化”に気づく
文化・宗教・国民性など「変わらないもの」と決めつけてしまいがち。でも変化はゆっくり進んでいます。おじいちゃん世代と比べてみると一目瞭然です。
単純化本能|一つの答えに頼りすぎない
「この方法が正解!」といった単純なメッセージは魅力的。でも現実は複雑です。多様な視点や道具を使い分けて、柔軟な思考を持ちましょう。
犯人捜し本能|責任より原因を探そう
「誰のせいか」にばかり気を取られると、再発防止の視点が失われます。個人ではなく、仕組みや構造に注目することが本質を見抜く力になります。
焦り本能|“今すぐ決めろ”に注意
「あと1日で終了!」などに煽られるのは焦り本能のなせる技。深呼吸してデータを見直し、小さな一歩を重ねていくことの方が信頼できる判断につながります。
【まとめ】FACTFULNESS|世界は思っているよりずっと前向き

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
『FACTFULNESS』を読んで感じたのは、「世界は思ったよりもずっと良くなっている」という事実です。それを正しく見るためには、自分の思い込みや本能にまず気づくことが大事。
謙虚さと好奇心を持って、世界をもっと「ファクト」で見つめていきたいですね。
ファクトフルネスは、世界の現状を知る本ではありません。「思い込みを手放す力」を身につけるための1冊です。私たちが抱えがちな10の本能に気づき、それを和らげる視点を持つだけで、見えてくる世界は大きく変わります。暗いニュースに心が沈んだとき、何かに腹が立ったとき、自分が「どの本能」にとらわれているのかを考えてみてください。
この記事を読んでくださったあなたが、どんな立場にあっても、何かひとつでも「これやってみようかな」と思えるヒントを見つけてくれていたら、うれしいです。
みなさんも「ファクトフルネス」を実践してみてはいかがでしょうか。
引用箇所において一部誤入力があるかもございません。予めご了承下さい。